中小企業の管理部門に必要なことって?

中小企業の管理部門の仕事(経理、総務、人事、法務等)の考え方ややりがいについて、中小企業・ベンチャー企業の
プレイングマネージャーとして30年近く働いてきた経験の中での役立つ知識、失敗談なども交えて紹介したいと思います。

経理処理

仕掛品って何?仕訳ってどうするの?を解決しましょう!

税務署

税務調査でよく指摘される「仕掛品」ですが・・・
経理処理の中でも「仕掛品」は、分かりにくいと思います。
仕掛品は、『しかかっているけど、まだできてない』ものという感じでしょうか。

システム開発などの開発途中で、まだ完成していないけれど完成に向けて人や時間を使っている、その人や時間にかかっている費用を経費として計上するのは売上として収益があがる時まで、“棚卸資産”として、棚上げしておかないといけない処理の事です。

■商品を販売している会社の在庫と同じようなものと考えて下さい。
例:
①商品を100円で仕入れて、150円で販売した時
仕掛品計上PL①
ですが・・・

②売れてない時
仕掛品計上PL②
とはぜずに・・・

③仕入れた分を商品在庫(棚卸資産)として計上
仕掛品計上PL③

④翌期、売れたら
仕掛品計上PL④
というわけです。
これが通常は、先に仕入れたものを売り切らないうちに次の仕入が発生するので、前期から残っている在庫(期首商品棚卸高)と今期仕入れたもの、それに今期の在庫(期末商品棚卸高)を引いて売上原価を出します。

簿記の勉強では、
商品 / 繰越商品 と習ったと思います。

では・・・

■決算時、仕掛品を(棚卸資産)として計上するには。
※完成したら、お金に換えられるもの→資産です

例:システム会社で受注した仕事
★先日の(システム会社やデザイン会社の仕掛品を簡単に計上できるExcel表と解説)の例を使います。
受注名:Aプロジェクト
受注金額: 400万円
開発期間: 2月~4月の3か月、4月納品及び検収予定
請求予定: 4月、入金予定は5月末
外注先:一部外注 ◎◎デザイン事務所(10万円×3か月予定)
担当エンジニア;3名

【仕訳】
・2月~4月エンジニアの給与は、
給与 ×× / 現預金 ×× で毎月計上します。
※この費用額の内、原価分の金額を「費用」→「資産」へ振替えることにより、売上の到来していない費用をマイナスしないよう(利益を減らさない)にします。
・2月末
前払費用 100,000 / 現預金(外注費)
・3月末決算時
仕掛品 690,625 / 期末仕掛品 690,625
(エンジニア3人のここまでの、このプロジェクト時間の人件費)
前払費用 100,000 / 現預金 100,000(外注費)
  ↓
【期末損益計算上】Aプロジェクト分のみ
仕掛品計上PL決算

■翌期
・4月1日
期首仕掛品 690,625 / 仕掛品 690,625 →棚卸資産より戻す
・4月末
売掛金 4,000,000 / 売上 4,000,000(納品、検収、請求)
外注費 300,000 / 前払費用 200,000 (2月、3月支払分)
         / 現預金   100,000 (4月支払分)
・5月末
現預金 4,000,000 / 売掛金 4,000,000
   ↓
【納品後損益計算上】Aプロジェクトのみ
仕掛品計上PL売上時

※注意点:違う科目を使っている場合(商品とか製品とか)もありますが、考え方は同じです。
また仕掛品の相手科目を人件費などにして、費用の科目からマイナスする場合もあります、損益計算上で、売上原価を一旦プラスにしてマイナスされる経費と相殺するのか?経費計上額を減らすのか?となりますが、最終的な利益の額は同じになります。

■月次決算をする場合(会計ソフト)
★先日の(システム会社やデザイン会社の仕掛品を簡単に計上できるExcel表と解説)の例を使います。
・2月末
仕掛品 196,875 / 期末仕掛品 196,875
・3月1日
期末仕掛品 196,875 / 仕掛品 196,875
・3月末
仕掛品 690,625 / 期末仕掛品 690,625

上記のように毎月、売上が到来していない人件費の累積額を一旦、資産勘定へ振替えてまた翌月1日に売上原価に算入できるように戻す仕訳を繰り返します。
そして、売上があがった月の月末には、「仕掛品 /期末仕掛品」この仕訳がいらなくなります。

■翌期に何か月かに渡って複数の仕事が順次納期を迎える場合
3月末決算時仕掛品計上額
受注1・・・納品4月末 200万円
受注2・・納品5月末  100万円
受注3・・納品7月末  50万円
 ↓
・3月末
仕掛品 350万円 / 期末仕掛品 350万円
・4月1日
期首仕掛品 350万円 / 仕掛品 350万円
・4月末
仕掛品 150万円 / 期末仕掛品 150万円
・5月1日
期末仕掛品 150万円 / 仕掛品 150万円
・5月末日
仕掛品 50万円 / 期末仕掛品 50万円
・6月1日
期末仕掛品 50万円 / 仕掛品 50万円
・6月末
仕掛品 50万円 / 期末仕掛品 50万円
・7月1日
期末仕掛品 50万円 / 仕掛品 50万円
・7月末
何もしない。
となります。

仕掛りを月次で計上していない場合は、請求のできる時は、すごい黒字になって、それまでは赤字が続くというような実態がよくわからないようなことになります。
毎月の経営状況を把握するためには、月次決算ができるのならお勧めします。
★参考:月次決算をしているでしょうか?

ブログ更新しました

経理の洗い替え処理とは?

毎月、経理で計上するものは、現金主義(現預金の動きのあった時点に処理をする事)より発生主義(取引が起こった時点で処理をする事)が望ましいです。
その方が、毎月の売上や費用の額が正しく認識されるからです。
必ず、翌月に入金があるとか支払うという約束であったとしても、月末の支払日が土日祝日などであれば計上するのが、もう一月後の月初めになることもあるからです。
経理計上

それでも、請求書などの発生した金額を計上するための書面がくるのが遅くて経理処理が滞って困る、などという場合に“洗い替え”という処理の方法があります。

また経費の仮払金や立替金の精算に差額の処理ではなく洗い替え処理により経費の総額をわかりやすくするということでも使います。

まず処理を早める目的の方は、例えば毎月の電話料金の請求書が翌月の15日くらいに来て、引落は、27日だった場合。
自社では、電話は誰がどこに何分かけたか、なんて管理をして金額を出すなどということができないので、15日の請求書が来るまで“通信費”の計上が出来ません。
でも会社からは、月次の試算表なり月次決算書なりを毎月10日までには出すように言われていた場合などです。

この“洗い替え”(期中現金主義)を説明します。

【洗い替え】
①処理を早める
■3月末決算の会社で、電話代を例に取ります。
2016年3月分の電話代が、4月27日に¥10,000 引き落とされます。
   4月分→5月27日¥10,200
   5月分~翌1月分→翌月の27日に1万円が引落
2017年2月分→3月27日¥10,250
   3月分→4月27日¥10,500
     ↓
[仕訳]
2016年3月末決算時:通信費 10,000/未払費用 10,000(3月分)
(前期未払費用残高 10,000円)
2016年4月仕訳:通信費 10,000/現預金 10,000(3月分)
   5月仕訳:通信費 10,200/現預金 10,200(4月分)
   6月~翌2月 翌月の引落日に仕訳(5月~1月分)
       :通信費 10,000/現預金 10,000
2017年3月仕訳:通信費 10,250/現預金 10,250(2月分)

2017年3月末決算仕訳:未払費用 10,000/通信費 10,000
(前期決算繰り越し未払費用計、当期4月に計上済みにつき逆仕訳で重複の消し込み)
       :通信費 10,500/未払費用 10,000
(当期3月分を翌期へ未払い費用として繰り越し)

年間を通しては、4月~3月まで毎月、通信費の仕訳があり、4月に計上した実は前期の未払い費用分も3月で消し込んで、3月の未払い費用も計上してトータルの金額では、当期発生した金額にする、というものです。

但し、この洗い替え処理は、この通信費のようにあまり毎月の変動がないものであればいいのですが、金額の変動が結構あるものは、期末月にしわ寄せが来るので、月々は概算数字を計上するなど別の方法も検討してみて下さい。

②経費の精算時の方法
従業員○○さんが、出張に行くのに9月10日に5万円の仮払をした。
出張が終わって、9月13日に精算をしてきた。
(精算内容)
旅費交通費 ¥24,000
宿泊費    ¥10,000
飲食費    ¥23,000(取引先A社、5名)
計      ¥57,000
追加精算費  ¥7,000
  ↓
[差額の仕訳]
■9月10日
仮払金 50,000/現金 50,000
■9月13日
旅費交通費 24,000/仮払金 50,000
旅費交通費 10,000/現金   7,000
会議費   23,000/

[洗替処理]
■9月10日
仮払金 50,000/現金 50,000
■9月13日
現金 50,000/仮払金 50,000 →一旦戻しいれる事(洗い替え)
旅費交通費 24,000/現金 57,000
旅費交通費 10,000
会議費   23,000

洗替をすることにより9月13日の出張費の総額が会計データを抽出した時などにわかりやすいなどのメリットがあります。


プロフィール

管理部CD

スポンサードリンク


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


カテゴリー
スポンサードリンク
スポンサードリンク

経理・会計・税金ランキング