システム

システム会社やデザイン会社が仕事を受けて、完成までに数か月かかる時に決算をまたいだら、その開発にかかっている費用を仕掛品として資産計上しなければなりませんが・・・

では、着手金をもらっている場合は、どうなるでしょうか?
参考:システム会社やデザイン会社の仕掛品を簡単に計上できるExcel表と解説
    仕掛品って何?仕訳ってどうするの?を解決しましょう!

以下、3パターンほど例を出して説明します。

IT開発売上仕掛品
★開発費の計上と仕掛品の計上Excelサンプルデータダウンロードはこちらから

【条件】
開発期間:2月~6月の5か月間
決  算:3月末
開発費用:500万円
支払条件:2月に着手金100万円、6月納品後、検収→請求で残金400万円
    (月末請求、翌月末入金とする)
開発人員:2名
開発費用:@¥,2,500/時間
開発時間:640時間

上記条件で、A・B・Cのパターンの時どうなるか?
◆Aの場合
①決算時に着手金のみ売上計上をして、3月の進捗分は、未入金として仕掛品計上をする
(仕訳)
現預金 100万円 / 売上高 100万円
仕掛品  32万円 / 期末仕掛品 32万円
②決算時にそれまでの進捗度で売上げの計上をする
(仕訳)
現預金 100万円 /売上高 200万円
売掛金 100万円

◆Bの場合
進捗分を着手金でもらったとして、決算時に計上する
(仕訳)
現預金 100万円 / 売上高 100万円

◆Cの場合
進捗分を着手金でもらったとして、決算時に計上する
(仕訳)
現預金 100万円 / 売上高 50万円
         / 前受金 50万円

以上と考えられますが・・・・
Aの②とB,Cは、開発に要した時間分(労働分)の売上の計上をしていますので、仕掛品の計上は、不要です。

実際は、開発期間や支払条件の『契約書』を交わしたうえで、進捗度合いや総開発時間がわかるように工程表を作成して、合理的に説明できるようにしておく必要があります。

Aの場合は、①より②の方が今期の決算の売上高が大きくなりますので、毎月均等に進捗するのか?や開発に係る時間をちゃんと管理できているのか?によりどちらを採用するのか?で計上金額が大きく変わるということになります。
※均等に進捗するのか、実際の開発時間は来期のかかる時間が、まだ不明瞭であるのかにより、実質に近い計上をすると実の損益がわかります。

デザイン会社や設計会社、また着手金を含め3回払いなども同じですので、参考にしていただければと思います。