中小企業の管理部門に必要なことって?

中小企業の管理部門の仕事(経理、総務、人事、法務等)の考え方ややりがいについて、中小企業・ベンチャー企業の
プレイングマネージャーとして30年近く働いてきた経験の中での役立つ知識、失敗談なども交えて紹介したいと思います。

減価償却

支出した費用が、経費か?資産か?どう違うのでしょう?

会社は、収益を得るために費用をかけますが、その費用が経費として「損金算入」できるか、「資産計上」をしなければならないか?で利益が変わります。
経費か資産か?

経理部門以外の人は、ここのところが“???”という事をよく聞きます。
どういう事なのか?なるべく簡単に解説したいと思います。

■資産とは?
まず資産”とは、簡単に言えば、お金にかえる事ができる価値あるもの、と思ってください。
お金そのものも当然、資産になります。
後、土地とか建物とか車とか機械とか・・・全部、売れるので資産です。
また“”権利”関係も売ることができるので資産となります。

■減価償却資産とは?
この資産のなかでも時の経過とともに価値が下がっていくものが、減価償却資産といいます。
建物とか車とか、買ったままで手を入れないと中古になるほど価値が下がります。
土地の価格の上がり下がりは、時の経過でなくその時々の経済情勢で上がることもあり、減価償却資産ではありません。

※修繕や改造で価値が上がる場合は、その費用も資産として計上します。
減価償却資産

■減価償却費とは?
減価償却資産は、時の経過とともに価値が下がるので、その下がった分をその期間価値を使ったということで、使った分を経費として「損金算入」していく、その期間に計上する金額を言います。

※損金算入していく期間は、「法定耐用年数」として使用可能期間が財務省令の別表で決められています。
※損金算入とは、売上から原価を引いた利益から利益を得るために使った費用(経費)として減額できる額の事です。
※利益から経費をたくさん減額すると残る利益額が少なくなって、その分税金の支払額も減ります。

■経費計上できる減価償却資産とは?(損金算入できる)
減価償却資産のうち、取得価格が少額なものについては、事業のために使った時に経費として計上ができます。(消耗品等)

※取得価格が、10万円未満または使用可能期間が1年未満のもの
(購入した少額減価償却資産を使用しないままにしておくと経費計上できません)
※消耗品等の取扱いの特例:事務用消耗品、作業用消耗品(作業服、手袋、タオルなど)、包装材料(包装紙、リボンなど)、広告宣伝用印刷物、見本品等、毎年おおむね一定数量を取得して、経常的に消費するものは、取得日に経費計上できる。
例えば:10万円未満で購入したPC、
季節ごとに宣伝用に50万円で作成するパンフレットなど。

【注意点】機械装置、器具備品は、1個、1組、1揃えごとに判断する。
例えば;応接セットは、机・椅子それぞれが10万円未満でもセットにして合計額が超えると資産となる。
※取得価格が、10万円以上のものも20万円未満の一括償却資産(3年で均等)と30万円未満の少額減価償却資産(全額損金算入)の特例がありますが、申告書・資産台帳(20万円以上30万円未満)への記載は必要なので、一旦資産計上して、期末に会社の状況で決算処理時の判断をします。

■被減価償却資産とは?
時の経過で価値が下がるものではない、土地やリゾートの会員権、美術年鑑に記載されているような美術品などは金額が少額でも固定資産に計上する必要があります。
評価損の計上の特例を除いて、売る時まで買った価格で貸借対照表に計上されて経費にはなりません。

※貸借対照表とは、会社の資産と負債と資本の状態を表す一覧です。

以上のことから、会社が儲かっている時には、できるだけ節税を考えると資産購入のための支出額は特例を使って、経費として計上して税金の納付を抑えたいと考えます。

逆に会社が赤字である場合は、一度に損金処理をするよりも翌年以降に費用の計上を繰り越した方がいい場合もありますので、資産の計上方法や処理方法によって決算書の見せ方も変える事ができるという事です。
ブロトピ:今日のブログ更新


月次決算をしているでしょうか?

私の会社も昔は、期中は試算表の作成だけをしていて、減価償却やもろもろの事は決算の時に決算処理としていました。
でも、それでは期中はずっと黒字だったのに決算処理をしたら、赤字になってしまった。なんて事も起こってしまいます。
月次決算の勧め

また会社をずっと継続させていくために管理会計を導入して実績と予算の比較・管理をしようと思ったら、やはり毎月正しい数字が出ていないとなかなか早め早めの事業の戦略や戦術の見直しができません。
キャッシュフローも毎月、合わせておいた方が、資金繰りのためにもいいです。

なぜ、決算時に赤字になってしまうことがあるのでしょうか?
1.毎月の在庫(仕掛り品)を計上していない。
2.減価償却を期末でする。
3.消費税の処理を期末でする。(期中税込経理)

中小企業では、主に上記3点が大きいのでは、ないでしょうか?

また月次決算をしようと思ったら、請求書が届くのが遅いなどの問題もあるかもしれません。
それでも月次決算をできるような仕組みに変えて、期末に慌てないように決算月の前の月くらいには、決算の着地点が予想できるようになっていると安心することができます。

【月次決算をするための対応策】
■在庫
商品在庫は、できれば毎月実地棚卸をするべきです。
これは、在庫が膨らむという事は、利益が出ていてもキャッシュフローがきつくなる事でもあるので毎月、現場もそれを理解して管理の必要性を知るためにもやるべきです。

そして、予定在庫より〇%オーバーしたら、値引きして売る。
値引きして売ったら、予定利益より〇%減額した。→その利益を取り戻すには?と手を打って行くようにします。

商品販売でない会社でも、仕掛り品の管理をして、仕掛品の計上をするのも同じことです。
システム会社などは、人の働く量と時間を仕掛りとして計上します。

■減価償却
減価償却は、エクセルで減価償却する資産の管理表を作っておきます。
決算期末に作るのでなく、決算が終わったらその表の期末在庫を次の期の期首在庫にして、始まった期の減価償却表を先に作ります。

そして、
①まず現在ある減価償却の必要な資産の当期の償却額を表に入れて、1/12を毎月減価償却費として費用計上します。(予算にも計上します)
②予算で、当期減価償却が必要な備品等の購入予定があれば、それも予定購入時期に入れた減価償却表を作っておきます。(予算に計上します)
→実際に購入した時点で、修正が必要であれば、修正して当期償却する分の月次にした金額を費用計上します。

■消費税
中小企業は、期中税込経理処理をしているところも多いと思います。
※免税事業者は、税込経理方式
期中税込経理処理をしていて、労働分配率の高い会社では、決算時に消費税額が予想以上に多くて、利益がなくなるということが起こったりします。

そうならないために、
①まず、当月の経理の入力を済ます。
②会計ソフトの税込を税抜に変更して、そこで表示される(仮払消費税)と(借受消費税)の金額の差額を「未払消費税」として、毎月計上します。

■数字の確定が遅くなる科目
①請求書が来るのが遅い、などは取引先に毎月翌5日までには、欲しいとお願いするなど依頼をして下さい。
②電話料金などの毎月あまり差がないものは、期末と期初に洗い替えをして、期中は対象月に引落があった、支払った金額を計上します。(期中現金主義)
※あくまで金額の変動うが少ないものだけにしないとここでも大きく差が出ては意味がなくなってしまいます。
③社会保険料や自社の管理しているものは、管理している金額を計上する。
※差があれば、差額の訳を確認して修正する。
洗い替え処理

以上のような感じで月次決算をし、予算と実績の比較表も作成してみるといいと思います。


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