中小企業の管理部門に必要なことって?

中小企業の管理部門の仕事(経理、総務、人事、法務等)の考え方ややりがいについて、中小企業・ベンチャー企業の
プレイングマネージャーとして30年近く働いてきた経験の中での役立つ知識、失敗談なども交えて紹介したいと思います。

契約書

従業員への貸付金は、条件があるの?契約書や書類は必要?

従業員からお金の借入の相談がある事があります。
そんな時、どうすればいいのでしょうか?
対応方法や必要な書類を用意してみました。
貸付金

■対応方法
1.ただ相談された金額を貸す、という事では、先々の事を考えると・・・
では、従業員みんなが貸して欲しいと言った時に全員に貸せるのか?
「あの人は、借りられたのに自分は?」など問題になっても困るので、ルールを作っておけばと思います。

(ルールの内容)
①正社員で勤続年数〇年以上など
②貸付の上限額、職位や年収に対してなど(返済可能額)
③返済期間〇年以内など
④目的を就業の都合に良いように引っ越す資金や教育費用、資格取得、怪我や病気、出産費用など娯楽目的ではないことなど
⑤担保または、連帯保証人の必要の有無
⑥再借り入れは、総額でいくら以内もしくは、先の返済が終了するまでは不可など

2.上記ルールを従業員の過半数以上に承認された「従業員貸付制度」として労使協定を結ぶことができたら、返済金のお給料からの天引きが可能となります。
 (返済をお給料から天引きすることを盛り込む)
※労働基準法17条により禁止されていますが、協定があると可能となるため
(前借金相殺の禁止)
第十七条  使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。

但し、借金のかたに労働する条件がなく、本人から天引きの申し出がある場合は可能です。

3.貸し付ける時は、『金銭消費貸借契約書』を締結します。
金銭消費貸借契約書
★「金銭消費貸借契約書」Wordサンプルデータはこちらから

①第2条で返済方法を“甲へ持参又は送金して支払う。”としていますが、上記の「従業員貸付制度」として労使協定を結んだ場合は、
“給与より天引きにて支払う”と修正すればいいと思います。
また本人が、「お給料を銀行からおろしてきて払うのが面倒くさいので天引きにして下さい」という事であれば“本人の申し出により給与より天引きにて~~”と修正すればいいと思います。

 ②第3条の金利について、国税庁より
「No.2606 金銭を低い利息で貸し付けたとき」として
[平成28年1月1日現在法令等]
 役員又は使用人に低い利息で金銭を貸し付けた場合、平成26年以後の貸付けについては、その利率が貸付けを行った日の属する年の特例基準割合による利率以上であれば、原則として、給与として課税されません。
 平成27年以後の特例基準割合による利率は1.8%ですが、1.8%に満たない利率で貸付けを行った場合、次の(1)から(3)のいずれかに該当する場合を除き、1.8%の利率と貸し付けている利率との差額が、給与として課税されることになります。

(1) 災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった役員又は使用人に、合理的と認められる金額や返済期間で金銭を貸し付ける場合
(2) 会社における借入金の平均調達金利など合理的と認められる貸付利率を定め、この利率によって役員又は使用人に対して金銭を貸し付ける場合
(3) (1)及び(2)以外の貸付金の場合で、1.8%の利率と貸し付けている利率との差額分の利息の金額が1年間で5,000円以下である場合

なお、平成14年1月1日から平成18年12月31日に貸付けを行った場合には4.1%、平成19年1月1日から同年12月31日に貸付けを行った場合は4.4%、平成20年1月1日から同年12月31日に貸付けを行った場合は4.7%、平成21年1月1日から同年12月31日に貸付けを行った場合は4.5%、平成22年1月1日から平成25年12月31日に貸付けを行った場合は4.3%、平成26年1月1日から同年12月31日に貸付けを行った場合は1.9%が適用されます。

 ただし、会社などが貸付けの資金を銀行などから借り入れている場合には、その借入利率を基準として計算します。
 また、使用人に対する住宅資金の貸付けを平成22年12月31日までに行った場合には、年1%の利率を基準とする特例があります。

国税庁 No.2606 金銭を低い利息で貸し付けたとき
となっていますので、上記通達の内容に合わせて決めて下さい。

③その他、連帯保証人が必要など・・・追加、修正があれば変更下さい。

4.「金銭消費貸借契約書」と一緒にその第2条の『借入金返済表』も作成して渡します。
借入金返済表

※入力欄、氏名・借入日・借入額・金利・返済開始日・返済回数
※入力不要セルには、保護をかけていますので、修正が必要な場合は、
【校閲→シート保護の解除】パスワード空欄にて、保護を外して修正して下さい。
★「借入金返済表」Excelサンプルデータはこちらから

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契約書の合意管轄裁判所を不利にしないためには?

契約書を締結すると最後に裁判所の『合意管轄』に関する条項が設けられている事が多いと思います。
ちゃんとチェックをしているでしょうか?
管理部契約書

ここを見過ごして、いざ裁判となった時に不利にならないように締結段階で見ておきたいと思います。
この条項でよくみられるのが、以下の1,2のような内容ではないでしょうか?

1.甲及び乙は、本契約に関して裁判上の紛争が生じた場合は、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。

2.甲及び乙は、本契約に関し訴訟の必要が生じたときは、甲の本店所在地を管轄する裁判所をもって第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

契約を交わす甲と乙の会社の場所が、近い場合は問題ないのですが、例えば東京と大阪であれば、大阪の会社からすると“1”のように「東京地方裁判所」と定められていると不利になってしまいます。
※契約書を作成した会社が東京で裁判をするのが有利な場合、このような条項になります。

また“2”も同様ですが、乙にとっては、不利な内容となっています。
これは、契約書を作成した会社が自分の会社にとって有利な条件を定めるので、この契約書をチェックして、この『合意管轄』を自社に有利な裁判所や乙の本店所在地を管轄する、として欲しいと修正の依頼をしても、「はい、わかりました」という事にはなかなか、ならないと思います。

だからと言って、この条項が自社に不利であるという事で、他の条項で合意しているにも関わらず、いつまでも契約が締結できないという事も双方にとって好ましくありません。
・・・という事で泣く泣くこのような不利な内容で締結していることもあるようです。
(契約書は相手との力関係もあり・・・)

そこで、相手に有利なこのような条項を出された場合は、以下の手順で相手と交渉して下さい。

1.まずは、当方の主張である自社の管轄裁判所に変更の依頼を一応してみる。
※ほぼ無理ですが、場合によると先方の対応できる支店があるなどOKになるなんてことがあるかもしれません?(ないと思いますが・・・)

2.1の修正を断られたら、次の文言で修正を依頼して下さい。
(準拠法および管轄裁判所)
甲および乙は、本契約に関し紛争が生じた場合は日本法を準拠法とし、かかる紛争については被告の本店所在地の地方裁判所を第一審の専属的管轄裁判所とすることに合意する。


これであれば、裁判になる前からどちらかが有利、不利で裁判が始めやすいや、始めにくいという事より、被告(訴えられた側)の管轄ということで、よほどでない限り訴えるより話し合いで解決をしようということにもなると思います。

また「本店所在地の地方裁判所を第一審の専属的管轄裁判所とする」とした場合に相手が外資に買収や吸収合併された時に困るので「東京地方裁判所」などのように地名を明記して欲しいという会社もありますが、「日本法を準拠法」という文言を入れる事で納得頂けると思います。

これで断られた事はありませんので、先方も本当に契約を望んでいるのならこれで大丈夫だと思います。

ブロトピ:ブログ更新しました

契約書を読むのが眠くなくなる方法?

取引先から送られてきた契約書、ちゃんとチェックしていますでしょうか?
どうも眠くなってしょうがないし、どうせ同じような事が書かれているのだろう、ってろくに読まずに処理したりしていないでしょうか?
管理部契約書


確かに契約書に使われる言い回しが独特で同じような事が書かれているような気もします。
でもやはりちゃんとチェックしないとトンでもなく自社に不利な事が書かれていて、相手の権利ばかり主張しているものもあります。

相手の主張ばかりで、これは酷いなぁーと思うものは、修正して欲しい箇所をちゃんと指摘すべきです。
酷い内容のものは、こちらがチェックをしない事が前提でこのまま通ればもうけものだと思っているのでしょうか?
指摘をすると修正してくれることがほとんどです。
修正してくれない場合は、契約すること自体を見直した方がいい場合もあります。

双方WinWinを考えない企業と付き合っていて最終的に損をさせられては困ります。

そこで、ちゃんと契約書を交わすためにチェックできる方法です!

1.自社に必要な契約内容の契約書のひな型を作っておきましょう。
・相手の企業からもらうと相手にだけ有利な事が書かれていないかチェックする必要が発生します。
ならば、こちらがちゃんとひな型を作っておいて、「当社のひな型でお願いします」という事ができれば、チェックは先方から指摘があった場合は、指摘のあった箇所のみとなり随分と楽になります。

契約書のひな型は、ネットで調べたらたくさん出てきます。
それを利用して作成し、できれば弁護士に相談して確認してもらって下さい。
(杜撰な契約書でも後で困ったことになります)
※一から弁護士に作成を依頼すると高くつきますが、文書の確認・修正だと顧問契約先がある場合は、顧問料の範囲内でやってもらえると思います。
※顧問契約先がない場合は、単発で契約書のチェックの依頼額と顧問の月額が同じくらいになると思いますので、契約書を取り交わすことが多い会社は、顧問弁護士事務所を持った方がいいと思います。

2.契約書を一度じっくり読んでみましょう。
読むのが眠いのは、読み慣れていないからです。
眠たいですが、一度じっくり読んで、どの契約書にも定型文のように出てくる文言と実際の条件として書かれている条項をチェックします。

例:定型文は、秘密保持に関する事項、相手方の信用が悪化した時の事項、暴力団排除条項、管轄裁判所についてなどです。→相手に一方的に有利になっていないか?をチェック
双方でなくこちらだけ守れ、という内容ではないか?

眠くなるのは、定型文が多いので、その内容を一度理解すると次からは、眠くならずにチェックできると思います。
定型の文言が入っているかどうか?チェックして、後は大事な条件の書かれている条項をチェックします。

当社に不利だと思われる条項は、担当者に確認して、先方に修正の依頼をしましょう。
お互い譲れず、歩み寄ってということもあります。

契約書のチェックを何度もしていると指摘する箇所が大体決まってきます。
先方との駆け引きで、どこまでなら譲れるか?なども決まってきます。
(相手との力関係によりどうするかなど)
そのパターンを書き出しておいて、関係部署や担当者と共有していると仕事もはかどります。



収入印紙を貼り間違えたらどうするの?

契約書や領収書に貼る収入印紙、金額を間違って貼ってしまったり、せっかく貼った契約書の内容が変わって使わなくなってしまったり・・・
実際は、収入印紙を貼らなくていい文書に貼るなど間違えることってありますよね?

そんな時は、税務署に「印紙税過誤納確認申請書」に記載して提出すると返金してもらえます。

但し、国へ納付する手数料のために貼ったものは間違って貼っても返金されないので気をつけて下さい。

もう少し詳しく説明します。
続きを読む

収入印紙はちゃんと貼っていますでしょうか?

これまで何回か税務調査を受けています。
よく中小企業の税務調査は、「入ったら、何かお土産を・・・」と言われます。
でも私はできれば、「指摘するところが何もないです」と言われてみたいものだ、と常々思って来ています。

それでも、何か不備を見つけられてしまっています。
(過去の税務調査で、どんな指摘を受けたのか?もおいおい書いていきたいと思います)

今日は、最初の税務調査で指摘されたことです。
当時わが社の社長は、お酒は飲めないし、車の免許はないし、で本当に変な経費の使い方というものがなかったので、結構何も指摘事項はなく済むのではないか?と自信をもっていたのですが・・・・

契約書、1枚収入印紙の添付もれがあったのです!
それ以来、収入印紙はとても気をつけるようになりました。

貼り忘れはもちろんダメですけど金額の間違いも結構あるみたいです。
取引先で法務部があるような大きな会社でも収入印紙が貼っていないことや、金額が間違っていることって結構あるので、少し間違いやすい点などまとめたいと思います。
続きを読む
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