中小企業は、大きな会社みたいに専属の法務部なんてない会社が大半なので、取引先との契約書の締結など管理部門のお仕事だと思います。

契約書②

そこで、ついつい大手から来た契約書だと「相手は、大手だし・・・間違いないだろう」とか「どうせ何か言っても聞いてもらえないだろう」なんて、チェックをあきらめていないでしょうか?

でも“瑕疵担保責任”は、どれくらいの期間になっているのか?チェックしてみて欲しいと思います。

特に商品の売買などで代替え品と交換で済むのではない、ソフトウェアの開発会社などは、瑕疵担保責任と損害賠償の限度額をきちんと定めていないと会社存続にも関わってしまいます。

■民法の規定と言われていませんか?
請負契約の瑕疵担保期間で、委託側からくる契約書では、民法第637条(請負人の担保責任の存続期間)として「仕事の目的物を引き渡した時から1年以内」と定められていることから、1年と記載してくるものが多いのではないでしょうか?

■相応の対価を求めるか?
でもそうであれば、異議を唱えてください。
ソフトウェアの開発などシステム開発では、情報システムの規模や対価によって、納品後ただちに何日以内に検収することとなっていますし、委託側が出してきた仕様の前提条件が不明確で瑕疵に該当するということで判断が難しいこともあります。
長期間に渡って瑕疵担保責任を求められると負担も大きくなります。
その負担分の対価を求めて交渉してみるのも手です。

■商法の規定を説明してみてください。
ソフトウェアの開発などは、一般個人との取引でないと思われますので、商法第526条(買主による目的物の検査及び通知)として「買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。」「売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が6カ月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。」という内容があります。

ただ商法はこうであっても、これは当事者が任意で決められる条項となっていますので、申し入れとして「6カ月」と定めて欲しいと依頼して下さい。
大体は受け入れて頂けると思います。

また民法の無過失責任とすると過大な責任を負うことになりますので、「ベンダの責めに帰すべきと認められた瑕疵に限り」として、曖昧な仕様や他の製品と構成されているなどで特定が困難な場合を想定した文言を入れるようにして下さい。