中小企業の管理部門に必要なことって?

中小企業の管理部門の仕事(経理、総務、人事、法務等)の考え方ややりがいについて、中小企業・ベンチャー企業の
プレイングマネージャーとして30年近く働いてきた経験の中での役立つ知識、失敗談なども交えて紹介したいと思います。

システム会社

システム会社やデザイン会社が着手金をもらった時の売上と仕掛品の計上はどうなるでしょうか?

システム

システム会社やデザイン会社が仕事を受けて、完成までに数か月かかる時に決算をまたいだら、その開発にかかっている費用を仕掛品として資産計上しなければなりませんが・・・

では、着手金をもらっている場合は、どうなるでしょうか?
参考:システム会社やデザイン会社の仕掛品を簡単に計上できるExcel表と解説
    仕掛品って何?仕訳ってどうするの?を解決しましょう!

以下、3パターンほど例を出して説明します。

IT開発売上仕掛品
★開発費の計上と仕掛品の計上Excelサンプルデータダウンロードはこちらから

【条件】
開発期間:2月~6月の5か月間
決  算:3月末
開発費用:500万円
支払条件:2月に着手金100万円、6月納品後、検収→請求で残金400万円
    (月末請求、翌月末入金とする)
開発人員:2名
開発費用:@¥,2,500/時間
開発時間:640時間

上記条件で、A・B・Cのパターンの時どうなるか?
◆Aの場合
①決算時に着手金のみ売上計上をして、3月の進捗分は、未入金として仕掛品計上をする
(仕訳)
現預金 100万円 / 売上高 100万円
仕掛品  32万円 / 期末仕掛品 32万円
②決算時にそれまでの進捗度で売上げの計上をする
(仕訳)
現預金 100万円 /売上高 200万円
売掛金 100万円

◆Bの場合
進捗分を着手金でもらったとして、決算時に計上する
(仕訳)
現預金 100万円 / 売上高 100万円

◆Cの場合
進捗分を着手金でもらったとして、決算時に計上する
(仕訳)
現預金 100万円 / 売上高 50万円
         / 前受金 50万円

以上と考えられますが・・・・
Aの②とB,Cは、開発に要した時間分(労働分)の売上の計上をしていますので、仕掛品の計上は、不要です。

実際は、開発期間や支払条件の『契約書』を交わしたうえで、進捗度合いや総開発時間がわかるように工程表を作成して、合理的に説明できるようにしておく必要があります。

Aの場合は、①より②の方が今期の決算の売上高が大きくなりますので、毎月均等に進捗するのか?や開発に係る時間をちゃんと管理できているのか?によりどちらを採用するのか?で計上金額が大きく変わるということになります。
※均等に進捗するのか、実際の開発時間は来期のかかる時間が、まだ不明瞭であるのかにより、実質に近い計上をすると実の損益がわかります。

デザイン会社や設計会社、また着手金を含め3回払いなども同じですので、参考にしていただければと思います。


システム会社やデザイン会社の仕掛品を簡単に計上できるExcel表と解説

システム会社やデザイン会社で請け負った仕事が、1か月以内に完成せず、2か月以上受注によっては、半年など長期にわたるものもあると思います。
この時、決算をまたぐ場合は、販売するものの原価を「仕掛品」として計上する必要があります。
システム

システム会社やデザイン会社の販売するものの“原価”って?
人が作業しますので、ほとんどが人件費ということになると思います。
この人件費などをどう考えて、計算して計上するか?方法がいくつかありますが、その中でここでは、決算をまたいだ受注にかかった時間をExcelで管理して計上する方法を説明します。

【システム会社を例にすると】
■仕掛りって何?
1.お客様よりシステム開発の依頼を受けます。
2.仕様を決めて、納期や金額を決めます。
 ※工期は、翌月の1日よりスタートして3か月とします。
(サンプルのExcelは、2月~4月のAプロジェクト、3月末決算の会社)
3.翌月1日になり、エンジニアが、開発をスタートします。
4.エンジニアには、いつ納品の仕事をしていようが、決まった給与が支払われます。
 例え納品前のものの仕事をしていてもです。
   ↓
まだ売り上げになっていない経費を計上して利益を抑えているとみられるわけです。

納品して売上が上がるまでは、この納品のために発生した原価を棚卸資産の“仕掛品”として計上しないといけないという事です。
※システム会社やデザイン会社は、材料費はほとんどないので、主に人件費になります。
※今回は、納品して請求できる段階で一括して売上計上と原価の計上をする場合の説明をします。
※受注してから請求まで1年以上の長期の受注や受注金額が高額な場合は、売上の計上も一括でなく受注の進捗に応じて計上する必要がある場合もあります。

■仕掛品の金額を出す手順
例:Aプロジェクトを例に取ります。
※文末のダウンロードよりサンプルのダウンロードができます。

1.会社は、受注を受けたものを納期までの期間と担当者を把握するための管理表を作成します。
仕掛品計上受注予定表

2.各エンジニアに受注毎にかかる時間を毎月表に記入してもらいます。
 『個人工程表』

仕掛品計上個人工程表

注意点:実際の仕掛品の金額を出すだけの場合は、予定は空欄でも大丈夫です。

3.2で作成した「個人工程表」を「全体工程管理表」に転記します。
3月の表なので、3月の欄に受注名とそれぞれの予定と実質の時間を転記します。

仕掛品計上全体工程管理表

さっきの「個人工程表は」3月のものでしたが、毎月全員分転記していきます。

4.最後に2で作成した「全体工程管理表」から受注毎に抜き出して、「受注別損益一覧」に転記します。(例:Aプロジェクト)
仕掛品計上受注別損益

※記入が必要なところを赤字にしています。(黒字のところは、入力不要です)

5.4で、できた「受注別損益一覧」より、仕掛品の金額を計上します。
下から2番目の「売上原価管理」の1か月目(2月)と2か月目(3月)の原価計を計上してもいいですが・・・
それより外注費は、一旦「前払金」で処理して、実際にその外注を使った売上高を上げる時に費用計上すると月次の試算表(月次決算)でも関係が分かりやすくていいと思います。

【仕訳】
仕掛品 690,625 / 期末仕掛品 690,625 (2月3月人件費計)
前払費用 100,000 / 現預金 100,000(それぞれ支払った、2月末、3月末と2回)
※交通費と印紙代は、少額なので管理できる場合は計上した方がいいですが、煩雑過ぎて管理できない場合は、支払った時に経費計上しても大丈夫です。。

ちなみに「受注予定表」にあったその他のまたいでいた、“PP(株)”“(株)△△”“Cプロジェクト”も同じように「受注別損益一覧」を作成して、仕掛品の金額を出します。
“DDプロジェクト”は、来期から始まるものなので、今期は関係なしということです。

6.2月~4月に決算がなく、期中であれば処理しなくてもいいのですが・・・・
月次決算を導入するのであれば、やはり期中から毎月、月末に計上して月初に戻し入れし売上計上月の期末に資産計上を外す処理をします。

またこの一覧は、受注に対して、誰が何時間かかったら利益額がいくらで利益率いくらの仕事になるのか?を判断する場合にも利用できます。
※4月末で最終的な各自の時間数がでると『予定』の利益額や利益率との比較もできます。

※デザイン会社や設計会社も同様に使えます。
※Excelは、入力不要なところに“保護”をかけていますが、パスワードは設定していませんので、赤字を黒字に戻したり、それぞれの会社に併せて表の修正をしたりは、“シート保護の解除”をしてください。
★仕掛品計上表Excelサンプルダウンロードはこちらから
※記事に出てきている表全てが1つのブックにしてあります。

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