中小企業の管理部門に必要なことって?

中小企業の管理部門の仕事(経理、総務、人事、法務等)の考え方ややりがいについて、中小企業・ベンチャー企業の
プレイングマネージャーとして30年近く働いてきた経験の中での役立つ知識、失敗談なども交えて紹介したいと思います。

総務・人事

従業員の慶弔関係について決めておくべきこと

働いている従業員に慶弔関係の事項が発生したときにその時々の思い付きで何かをしたり、しなかったりと不平等な扱いをする事は好ましいことではありません。

慶弔

事前に規定を設けて、また総務担当者が困らないように金額の多寡なども決めておくのがいいと思います。

毎日一緒に働いている従業員に何もしない、というのもこの会社で働くというモチベーションを考えても喜びや悲しみを共有することで得られるものがあっていいのではないかと思います。

■決めておいた方が、業務が滞らないと思われること
(目的)(対象となる種類)(対象者)(金額)(手続き方法)(実施日)(実施方法)

例えば・・・
1.慶弔見舞金の種類
①結婚祝い
②出産祝い
③傷病見舞金
④死亡弔慰金
⑤災害見舞金

2.慶弔見舞金の条件
①金額
 初回と2回目は変わるか?など
②正社員のみか
③勤続年数
 1年以上 など
④本人のみか、親族も対象か
 親族が対象の場合何親等までか
⑤回数
 何度も同じことがあった場合に制限するか
⑥証明書類の必要性
 公的な証明を求めるか
⑦手続き方法、申請書が必要か
 会社で作成している申請書の種類等

3.慶弔休暇
①結婚
②出産
③子息の入学、卒業
④死亡
⑤災害

4.慶弔休暇の条件
①それぞれの日数
②取得時期
 結婚後、1年以内分割は付加など
③対象になる親族の条件
 近親者の死亡は、三親等まで など

5.その他
①電報
 祝電、弔電
 対象となる親族の条件と金額
 ※本人の場合は、「代表者名」と「社員一同」の2通出す など
②花輪など
 対象となる親族の条件と金額

※取引先などの慶弔関係で出すものや金額も別途、決めておくと総務は毎回悩む、とういうようなことがなくなっていいと思います。

また上記取決めがないままに多額の給付を行うと給付とみなされて税金がかかることにもなりかねませんので、その点からも取決めがあることが望ましいです。


社宅は、ちゃんと取り決めていないと困ったことになります。

中小企業でも都市部と地方に本支店を置いて、転勤のための社宅を用意することなどあると思います。
社宅

社宅は、事前に規定を作成して取決めを行っていないと転勤する従業員にとって思わぬ負担が生じたり、逆に会社がどこまで負担すればいいかわからないくらい経費がかさんだり・・・
また自宅勤務の従業員との間に不平等が発生したり不満のもとになったりしないようにしておかないといけないです。

■取り決めておくべきこと
1.社宅を利用する条件
例:転勤に伴う場合のみ
 地方からの新規入社時 など
※大阪の両親の実家から東京に転勤になった後、2年後に大阪に転勤になり実家に戻らずに一人暮らしをする場合は?など、想定して決める。

2.社宅を貸与する期間
例:転勤の間のみ
 上記1の元の勤務地に戻る場合で、一人暮らしになる場合は、戻って○カ月は社宅扱いにする など

3.社宅に同居できる家族の範囲
例:独身者、夫婦子供のみで両親の同居は不可など
 どのようになった場合は、出ないといけないか?など

4.社宅に入居中に家族構成が変わった場合
例:独身で転勤して、転勤先で結婚した場合など社宅から出る場合は、住宅補助や家族手当を出す など

5.従業員の負担する金額と内容
例:毎月家賃の半額と水道光熱費は従業員の負担 など

6.退社時の明け渡しの条件
例:賃貸契約の解約申し入れの規約通りに退職の届をしない場合は、係る実費を負担する、
 退去時の屋内の設備の修繕等実費 など

7.従業員が原因で賠償問題などが発生した場合の対処方法
例:故意の場合は、実費。過失の場合は保険利用 など

また中小企業で社宅を設けるのは、主に転勤に伴うことが多いと思われますので、転勤の規定も合わせて作成しておくようにしましょう。
※引っ越し費用や単身赴任の場合の帰省の回数や費用の負担など

独身寮などがある場合も社宅と同様に規定を設けて、運営方法と寮長や管理人を置いて運営ルールを守るように事前に取り決めておくのがいいです。

社宅や寮を置くメリットと経費として出ていく金額の総合的な効果判断もしながら、本当に必要なのか?など検証もしていき会社の資金も従業員の働く場所も一番効果的なところを選べればと思います。


プライバシーマークの取得は難しいでしょうか?

個人情報保護

昭和63年12月に行政機関が保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律が制定され、平成10年4月1日にプライバシーマーク制度が創設されました。
また平成15年5月30日に個人情報保護法が公布され、平成17年4月1日に個人情報保護法全面施行となりました。

そのことから平成17年度よりプライバシーマーク付与事業者の数は増え、現在(平成28年10月21日現在)14,929社となっています。

それでもまだま少ない業種も多く、取得すると他社と差別化が図れるかと思います。

(業種別)
Pマーク業種別_01

業種としては、圧倒的に情報サービス業が多く、次に製造業となっています。
また農業は1社、林業・漁業・鉱業・公務は0社です。

(都道府県別)
Pマーク都道府県別_01

年々、付与事業者数は増加してきていますが・・・
必ずしも一度付与された事業者がそのまま更新しているわけでもないようです。

では、折角取得したプライバシーマーク(Pマーク)をなぜ更新していないのか?や取得は難しいのか?について、ですが・・・・

■プライバシーマーク(Pマーク)の取得は、難しいか?
●プライバシーマークの取得は、「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」に適合したしくみを作って、申請をします。
●取得自体は、申請書が整っていると付与されますので、簡単ではないですが、自社だけでも取得可能です。
●プライバシーマークの取得は、ISO認証のように部署ごとでなく全社が対象となりますので、規模の小さな中小企業の方が取りやすいかもしれません。
●ISO認証は、情報が全て対象となりますが、プライバシーマークは、あくまで個人情報のみですので、個人情報の取り扱う場所が限られている場合は、取得しやすいと思います。
※社員情報を扱う管理部門と後、店舗だけ、など。

■プライバシーマーク(Pマーク)の更新は、難しいか?
●プライバシーマークは、実は取得より更新の方が大変だと思います。取得は、書類が整っていると取得できますが、更新は、その最初に出した「個人情報保護マネジメントシステム」が計画(P)通りに実施(D)されているか?その点検(C)をして、見直し(A)をしているか?のPDCAサイクルを回しているか?を見られます。
●コンサルタントに頼りっぱなしで、自社で運用していない会社は、更新が難しくなります。
●更新のたびにこの「個人情報保護マネジメントシステム」をスパイラルアップしていく必要があるので、前回の更新でOKだったからとそのまま同じものを出しても更新できませんので、より良いしくみにしていく必要があります。

■プライバシーマーク(Pマーク)は、取得するメリットはあるのか?
●個人情報の漏えい事故などを受けて、更新が厳格になっている分、持っていると信用があがります。
●特に一般の消費者からも、Pマークが目につくことで安心してもらえます。
●大手との取引では、PマークもしくはISOを持っていることが条件の場合もあります。
●社内の意識や実際に運用することで、情報の実際の扱い方が変わり、事故や犯罪は起こりにくくなると考えられます。
●プライバシーマークは、あくまで個人情報についてですが、この仕組みを作りPDCAサイクルを回す方法を知ることにより、他の情報の取り扱い方法や他のしくみの運用方法にも良い影響が及びます。

以上のことから、プライバシーマークは、自社で取得を目指せるといいのですが・・・。

■自社で取得する場合の手順
『JIS Q 15001:2006をベースにした個人情報保護マネジメントシステム実施のためのガイドライン』というものが、一般財団法人日本情報経済社会推進協会プライバシーマーク推進センターより出ていますので、このガイドラインにそって作成してください。
(プライバシーマーク制度 参考資料: https://privacymark.jp/reference/

コンサルタント会社を入れる場合は、以下のような点に注意をして下さい。

■コンサルタントで気を付ける事
①「個人情報保護マネジメントシステム」の構築の話が分かりやすいこと。
②自社の業界や業態をよく理解していること。
③「個人情報保護マネジメントシステム」で利用する規定や書式の数がやたらに多いところはやめる。
(なるべくシンプルでわかりやすいところ)
④自社に合ったしくみ(マネジメントシステム)を考えてくれること。
⑤高いシステムの導入などを提案してこないところ。
⑥コンサルは、そのまま継続して更新のコンサルもしようとしますが、できれば自社で運用できるしくみを作ってくれるところ。

まだ取得されていないところは、トライされてはいかがでしょうか?


従業員への貸付金は、条件があるの?契約書や書類は必要?

従業員からお金の借入の相談がある事があります。
そんな時、どうすればいいのでしょうか?
対応方法や必要な書類を用意してみました。
貸付金

■対応方法
1.ただ相談された金額を貸す、という事では、先々の事を考えると・・・
では、従業員みんなが貸して欲しいと言った時に全員に貸せるのか?
「あの人は、借りられたのに自分は?」など問題になっても困るので、ルールを作っておけばと思います。

(ルールの内容)
①正社員で勤続年数〇年以上など
②貸付の上限額、職位や年収に対してなど(返済可能額)
③返済期間〇年以内など
④目的を就業の都合に良いように引っ越す資金や教育費用、資格取得、怪我や病気、出産費用など娯楽目的ではないことなど
⑤担保または、連帯保証人の必要の有無
⑥再借り入れは、総額でいくら以内もしくは、先の返済が終了するまでは不可など

2.上記ルールを従業員の過半数以上に承認された「従業員貸付制度」として労使協定を結ぶことができたら、返済金のお給料からの天引きが可能となります。
 (返済をお給料から天引きすることを盛り込む)
※労働基準法17条により禁止されていますが、協定があると可能となるため
(前借金相殺の禁止)
第十七条  使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。

但し、借金のかたに労働する条件がなく、本人から天引きの申し出がある場合は可能です。

3.貸し付ける時は、『金銭消費貸借契約書』を締結します。
金銭消費貸借契約書
★「金銭消費貸借契約書」Wordサンプルデータはこちらから

①第2条で返済方法を“甲へ持参又は送金して支払う。”としていますが、上記の「従業員貸付制度」として労使協定を結んだ場合は、
“給与より天引きにて支払う”と修正すればいいと思います。
また本人が、「お給料を銀行からおろしてきて払うのが面倒くさいので天引きにして下さい」という事であれば“本人の申し出により給与より天引きにて~~”と修正すればいいと思います。

 ②第3条の金利について、国税庁より
「No.2606 金銭を低い利息で貸し付けたとき」として
[平成28年1月1日現在法令等]
 役員又は使用人に低い利息で金銭を貸し付けた場合、平成26年以後の貸付けについては、その利率が貸付けを行った日の属する年の特例基準割合による利率以上であれば、原則として、給与として課税されません。
 平成27年以後の特例基準割合による利率は1.8%ですが、1.8%に満たない利率で貸付けを行った場合、次の(1)から(3)のいずれかに該当する場合を除き、1.8%の利率と貸し付けている利率との差額が、給与として課税されることになります。

(1) 災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった役員又は使用人に、合理的と認められる金額や返済期間で金銭を貸し付ける場合
(2) 会社における借入金の平均調達金利など合理的と認められる貸付利率を定め、この利率によって役員又は使用人に対して金銭を貸し付ける場合
(3) (1)及び(2)以外の貸付金の場合で、1.8%の利率と貸し付けている利率との差額分の利息の金額が1年間で5,000円以下である場合

なお、平成14年1月1日から平成18年12月31日に貸付けを行った場合には4.1%、平成19年1月1日から同年12月31日に貸付けを行った場合は4.4%、平成20年1月1日から同年12月31日に貸付けを行った場合は4.7%、平成21年1月1日から同年12月31日に貸付けを行った場合は4.5%、平成22年1月1日から平成25年12月31日に貸付けを行った場合は4.3%、平成26年1月1日から同年12月31日に貸付けを行った場合は1.9%が適用されます。

 ただし、会社などが貸付けの資金を銀行などから借り入れている場合には、その借入利率を基準として計算します。
 また、使用人に対する住宅資金の貸付けを平成22年12月31日までに行った場合には、年1%の利率を基準とする特例があります。

国税庁 No.2606 金銭を低い利息で貸し付けたとき
となっていますので、上記通達の内容に合わせて決めて下さい。

③その他、連帯保証人が必要など・・・追加、修正があれば変更下さい。

4.「金銭消費貸借契約書」と一緒にその第2条の『借入金返済表』も作成して渡します。
借入金返済表

※入力欄、氏名・借入日・借入額・金利・返済開始日・返済回数
※入力不要セルには、保護をかけていますので、修正が必要な場合は、
【校閲→シート保護の解除】パスワード空欄にて、保護を外して修正して下さい。
★「借入金返済表」Excelサンプルデータはこちらから

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1人雇うのにいくらかかるの?概算計算して予算に入れましょう!

人を雇う時は、どの部署のどんな仕事をしてもらう人で、どれくらいの経験や能力があって・・・
じゃ、お給料はこれくらい?と考えて募集をすると思います。
お給料

けれど30万円で募集しても交通費が、5千円の人と2万円の人とでは、最終的に会社が負担する金額は結構変わります。
なので、単に給与の比較だけでなく概算でいいので、交通費や社会保険の会社負担分も合わせて計算して予算に入れて考えるようにしたいと思います。

人にかかる費用は、かかり過ぎだからと言って簡単に削れるものではないので事前の把握が大切です。

事前に簡単に人件費の会社負担額の概算を出す表を作成しましたので利用してみて下さい。

【使い方】
1.入力箇所は、薄いピンクのセルです。
1.雇おうと思っている人の年齢を入れて下さい。
2.希望給与額、手当、交通費(通勤費)を入れて下さい。
3.加入している保険組合の保険料率を確認して「算定基準」欄に入れて下さい。
 ※サンプルは、「協会けんぽの大阪」の料率が入っています。
 ★協会けんぽ 平成28年度保険料額表
4.労災保険は、業種の料率を確認して下さい。
 ※サンプルは、「卸売業・小売業・飲食店又は宿泊業」が入っています。
 ★労災保険率表 平成27年~
5.本人手取り額も合わせて知りたい場合は、源泉徴収額と住民税を入力して下さい。
 ※源泉徴収税は、同ブック内にファイル「源泉徴収税月額表」があります。

■サンプル
年齢:32歳
希望給与:給料30万円、該当手当5千円
交通費:5千円
会社負担は、約36万8千円になるということです。
人件費概算計算

★人件費会社負担額サンプルExcelダウンロード
※入力不要箇所は保護をかけていますが、修正をする場合は、閲覧→シート保護の解除をして下さい。(パスワードは空欄です)

また退職金制度などがあれば、この積立金や健康診断などの福利厚生の費用も合わせて増員の予算に組み入れて考えるようにして下さい。

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