中小企業の管理部門に必要なことって?

中小企業の管理部門の仕事(経理、総務、人事、法務等)の考え方ややりがいについて、中小企業・ベンチャー企業の
プレイングマネージャーとして30年近く働いてきた経験の中での役立つ知識、失敗談なども交えて紹介したいと思います。

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管理部門は、ちょっとした気配りで、できる人に!

管理部門のちょっとした気づきや気配りで、仕事がとてもやりやすくなったり、気分が良くなったりで仕事がはかどることもあると思います。

管理部門仕事の気配り

昔、感心したことの一つで、何か本だか新聞だかの記事で読んだのだと思うのですが・・・
書類のホッチキスのとめる位置やクリップをとめる位置をわざとずらす、という話でした。
それまでは、きっちりと紙を揃えて、きっちりと同じ位置でホッチキスをとめないと気持ちが悪くて、ずれないように・・・と書類をまとめていました。
※マナーとしては、横書きは左上、縦書きは右上、角度は45度でとめると言われています。

ずれているなんて、ずぼらというか・・・乱雑な仕事ぶりだと思っていたのです。
ところが、きっちりと同じ位置でホッチキスをとめたり、クリップをとめたりするとたくさん重ねた時にとめた位置ばかりが高くなって、重ねた書類が不安定になるので、書類の高さを揃えるためにわざと位置をずらしている、という気配り紹介でした。

少量の書類であれば必要のないことですが、たくさんの書類の時はあえてそうするということが、「なるほど、確かに・・・・」と思いました。
自分は、管理部門らしく“きっちりしている”性格だと思っていたのですが・・・
気配りが足りなかったんだなぁーと。

またこれも今から20年くらい前の事で、まだPCがこんなに便利に普及していなかった時の事です。
会社の移転で元の住所から番地だけ違うところに移転した時の事です。
社内封筒の在庫がかなりあり、印刷をし直すのがもったいないので番地だけ別の紙に社判の番地を押して、封筒の番地の上に貼ろうということになりました。

それでワープロ用紙にハンコを押していたら・・・
他の人から、番地を貼る封筒を何枚か使ってそこにハンコを押そうと言ってきました。
「上から貼る番地の紙の材質と色が一緒だったら目立たないですよね?」と言われて、これも・・・

「あー、なるほどなぁー」と思いました。
こういう事っていうのは、なかなか教えられるものでもないのだけど・・・・
実際にこういう事があるとそこで気づきが生まれて、自分の考える幅が拡がっていくのだと思います。

そこで書類について、すぐにできる事を3つ!

1.書類は、レイアウトにこだわる。
・レイアウト一つで、見やすくも見にくいものにもなります。
 文字の大きさ、左寄せ、中央寄せの位置、線の太さ、統一感など

2.チェックを必要とする書類は一覧をつけて、一覧の並び通りに実物を並べる。
・例えば、請求書のチェックなど請求書の一覧を作成して、一覧で金額や合計の確認をできるようにした上で、その一覧の並び通りに下に実際の請求書を重ねておくとチェックする方がチェックしやすくなります。

3.同じような項目が必要な書類や、毎月定期的に出す書類は、毎回同じ書式に統一する。
・同じ形式にしていると自分の知りたいことがどこに書いてあるのかが探しやすくなります。

『このやり方が絶対に正しい』ではなく、違う角度からものを見られるようになることは管理部門の仕事にも大いに役立ちます。

そう思うと“気配り”や“おもてなし”産業と言われているホテルやサービス業から学ぶこともたくさんあるのだと思います。

また同じことをやるにしても「言い方」も大切です。
これもまた相手に思いやり(気配り)を持っていたら自然とお互い気持ちよく仕事ができるような言い方ができるのだと思います。
私もまだまだですけれど・・・良いところを気づく感性を持って、気配りが伝染していくような仕事がしたいと思います。




机の上に書類を積んでいる人は、仕事の期日を守らない人が多い?!

長年色んな人を見てきて思う事ですが・・・・
仕事の机の上に書類を山積みにしている人は仕事ができない!って、言うと言い過ぎですが、仕事の期日に遅れる事が多いと感じます。

管理部門書類山積み


机の上は一見キレイだけど、なんでも引き出しに突っ込んでいる人も一緒です。
中には、机の下に山積みの人もいますね?

交渉能力や営業能力は、あったりするので、仕事ができないということではないのかもしれませんが、やはり仕事においての期日は本人だけの問題でなく他にも迷惑をかけたり業務の遅延につながることなので、やはり期日は守れるようにならないといけないと思います。

社外の人との期日は守れるけれど、社内の経費の精算や会議資料の作成などができないという、社内は許してくれるだろうという傾向もあります。
これが、社外の期日も守れなくなったら本当に仕事のできない人になってしまいます。
信頼を失うと本人だけでなく会社の損失になりかねません。

そもそも仕事をどんどん片づけていったら、書類が山積みになることはないのですよね?
また期日に遅れる事を言い訳するために口がうまくなって交渉力が磨かれるということを狙っているのでしょうか?(笑)と冗談はさておき。

完璧なものを作って遅れるくらいなら、少しくらい間違いがあっても期日より早い方が、評価されます。
なぜなら期日に余裕があるとチェックする方も十分見られて、間違いを直す時間もあるので、結果いいものにできるからです。

ではどうすれば机の上に書類を山積みにしなくても済むのでしょうか?

1.箱(棚や引き出しでもいいです)を作って、優先度と決済・終了済みを分けておく。
・『すぐやる事箱』『月末までにやる事箱』『時間のある時にやる事箱』と
 『決済・終了済』→月末に必ず、ファイリグなど片づける事!

2.上記1の仕分けをして、ものを探す時間をなくす事!

3.やることリストを作って、やった仕事から線を引いて消し込みをする事!
書類が山積みの人は、携帯電話やPCのスケジュール管理では期日を守れないようです。

4.気力の充実している時間(午前の一通りのメールチェックが終わった後など)に難易度の高い仕事や面倒くさい仕事をやってしまう事!

5.書類仕事から逃げるために外出や来客の予定を入れない事!
書類が山積みの時は、逆に外出予定を減らして時間を作るくらいでないとできません。









以上、5つを実行できない人は、どれが実行できないのか?なぜ実行できないのか?を一度じっくりと考えてみる必要があります。

じっくりと考えると本人の許容オーバーの仕事がふられているのかもしれません。
その場合は、上司と相談すべきです。

また能力以外の考え方や精神面で別の問題があるのかもしれません。
その場合は、遅れる事によってどんなマイナスがあるのか?を一度よく考えてみて下さい。

一度溜まりだすとなかなか解消しにくくなっているのかもしれません。
その場合は、一旦解消するために誰かに助けてもらってまず追いつくところから始めるといいかもしれません。

さぁ、書類が山積みなっている人は、片づけましょう!


受領や承認を後までちゃんと残しておくにはどうすればいいでしょうか?

管理部門は、お金の精算や書類の承認を取ったり、また承認済み書類を整理したり、後日その書類を確認することもあると思います。
元々の書類に受領や承認の確認印を押すよう欄があると問題がないと思いますが、そういうものがない場合には、どうしているでしょうか?

管理部書類の受領承認


人数が少ないから、わかっているから、大丈夫?
経費の精算で、「お金もらいましたっけ?」なんてことになったこともないでしょうか?

東京の豊洲の新市場じゃないですけれど・・・
やっぱり、「もらった」「もらってない」とか「言った」「言わない」とか“いつ、誰が、何を、承認した、受領した”が、わかるようにしておいた方が、問題があった時にすぐに対応もできていいと思います。

そのために『グループウェア』を導入して、ワークフローで承認の経路を決めて決済するのも一つの方法です。
(グループウェア:コンピュータのネットワーク上で情報共有するためのソフトウェア)
有名なところだと“サイボウズ”や“デスクネッツ”があると思います。
また今は、無料のグループウェアもあります。

グループウェアを導入していても、外部の書類で紙ベースのものの場合は、その承認経路を使えない場合もあります。

そんな紙ベースで「受領」や「承認」欄がない書類は、どうしたらいいでしょうか?
とても単純な話で「なーんだ!」と怒られてしまうかもしれませんが、なければ作ればいいという話です。

■もっと具体的に言いますと


管理部受領印

管理部承認印


こんな『ハンコ』を作ります。
PCで使いたい大きさで作成して印刷して、ハンコ屋さんに持って行って同じようなハンコを作りたいと言えば作ってくれます。
費用は、500~1,000円くらいで大丈夫だと思います。

管理部受領印2


こんな風に日付を入れる欄があってもいいかもしれません。
これを例えば精算書の右上や左上に押しておいて、お金を渡した時にここにハンコやサインをもらう、という使い方です。

承認の方も同じように承認が必要な書類で、承認印欄がないようなものは、これもしかるべき場所に事前に押しておいて、担当者にハンコをもらいます。

書類そのものに書き込みができないものであれば、コピーを取ってそちらに押しておいてもいいと思います。

とっても簡単な事なのですけれど・・・
結構、効果があります。
受領、承認について後日確認できないようなところは、やってみて頂ければと思います。

管理部門だって利益を上げることができます!

管理部門は、売上を上げなくても、経費の節減を進めることで利益を上げる事ができます。

管理部門利益アップ

どんなことができるでしょうか?
当然、皆さん事務用品などの事務所経費や消耗品、備品の購入品は少しでもコストパフォーマンスの良いものを買うように無駄遣いしないようにしていると思いますが・・・

■その他10の提案

1.購入品は、購入額のチェックだけでなく購入頻度や使い方もチェックする。
・たまに会社の備品やティッシュペーパーを持って帰る従業員がいたり・・

2.購入品は、購入前に相見積もりを取るだけでなく、金額の大きなものは定期的に市場価格を調べてみる。
・もっと安くて便利な新商品が発売されていることもあります。

3.定期的に購入して、在庫をするものは、管理表を付ける。
・管理しているだけで無駄使いが見えてくることがあります。
・印刷する必要がないものをたくさん印刷しているなど。
・管理するために棚を整理するだけで無駄が省ける場合もあります。

4.大きな経費がかかっているところから、順に本当にその金額が妥当なのか?見直してみる。
・前からそこで買っているからとか前任者や上が決めたらから、でなく下げられる提案ができないか?
例えば、
①家賃は近隣の家賃を調べて、自社が高いと思ったらまず自社の入っている物件の大家さんと家賃交渉をします。
・契約形態の見直し→月払いを年払いにする、入居年数など
・それで下がらない場合は、現在のスペースを削減できるのであれば、削減の交渉などもあります。
②自社物件の大家さんと交渉して下がらないようであれば、近隣の安い物件への引っ越しを検討します。
※但し引っ越しは、引っ越し費用だけでなく引っ越し後の「内装」「変更登記の費用」「印刷物」など付随してかかる費用とトータルで考えます。
③自社ビルを検討してみる。
・利回りが10%以上で、ビル購入の銀行借入の返済がテナントの家賃収入で賄えて、現在の賃料がなくなるという事であれば、銀行から借り入れができる可能性が高いです。
※ただ現在は、低金利によりお金の行き場がないために都心など事業所家賃が高騰してきているところは、ダメです。

5.集金できないでいる債権や解約した店舗や事務所の敷金から不当に高い修繕費を引かれたなどの場合、『少額訴訟』を検討してみる。
・60万円までの金銭の支払要求なら、とても安く簡単に早く法的に解決できる方法です。

6.不要なもので売れそうなものをネットオークションなどで売却する。
・不要なものを処分してオフィススペースに余裕を持たせます。

7.福利厚生費の見直しをする。
・買っている飲み物代などタダだと最後まで飲まずに捨ててしまう場合でも、1杯10円でも払ってもらうと本当に欲しい時に飲んでもらえるなど・・
(会社に設置していたコーヒーマシンで飲むコーヒー代が、ものすごくかさんだ時に有料に変えると飲み残しがなくなったことがあります。)

8.外注の方が安い業務があるのなら検討する。
・外注できる業務が増えてきています。

9.その他、ペーパーレス化や電子化、有利なカードやクーポンの利用など

10.金融機関の手数料や金利を有利ものに交渉する。
・借入金を有利な金利へ借換えをする。
・新規の借入もより有利に借りられるように「経営革新」の認証を受ける、「会計原則を守る」などして、有利な金融機関を選んで、有利な条件になるように交渉します。
・その他、L/C、為替など

上記のように会社でかかる費用を見直して、管理部門で削減できた額イコール利益貢献額として金額を見直し前と後でまとめておくと、どれほど貢献できたかの『見える化』ができていいと思います。


中小企業の管理部門で働く人はユーティリティープレイヤーを目指して!

管理部従業員一同

今は、どんな会社でも経営の効率化や人員不足など様々な理由から人をどんどん入れていくという事ではなくなっています。

特に管理部門は、経営環境が厳しい会社では外注や人員削減の的となることもあります。
先日ニュースで「メットライフ生命保険」が希望退職を募るリストラを発表しました。
この対象は、営業職を除く事務職です。

管理部門、事務職で生き残って、楽しくやりがいのある仕事をしていこうと思うと・・・
■指示待ち
■やらされ仕事
■ルーチンワークのみ
以上のような人は、難しいです。

■自分で仕事を見つけてやる
■自分から進んでやる
■業務の提案ができる
以上のような人が求められていきます。

そのためには、自分の仕事はこれだけだから・・・と自分で枠を決めないで、ユーティリティープレイヤーを目指しましょう!

ユーティリティープレイヤーになるためには、どうすればいいのでしょうか?

以下、7点!やっていないことがあれば、やってみて下さい!

1.管理部の仕事を網羅すること
・経理だけ、総務だけ、人事だけ・・・ではなくこのどれもできるようになること

2.現在の仕事から1歩深堀して外注ではできない自社独自の提案をすること
・例えば:経理の仕訳入力だけなら現在外注で、〇千円などで可能なので、それだけでなく
    管理会計を導入して分析や改善策を提案するなど
    人事が募集・採用だけでなく新たな評価基準を提案するなど
    総務が補助金申請をするなど

3.外注に出している業務があれば、社内でできないか?検討すること
・人員を増やさず社内ですることによりコストが下がること
 (そのための知識をみにつけること)
・例えば:従業員の就業に対する手続き(入退社、休業など)、
    会社登記に関する手続き
    登録商標申請手続きなど

4.情報セキュリティの知識をみにつけること
・社内システムの構築は、システム関係の部署や外注がしたとしてもセキュリティ対策の整備や教育で事務方を務める
・Pマークの取得やISO 27001(情報セキュリティ)取得の事務方になるなど

5.WEBサイトの運営知識をみにつけること
・自社サイトの更新をする
・自社で、WEBを広告に活用するための手段の提案や事務方をする
・自社製品のECサイト構築の提案や運営をするなど

6.会社での購入品や経費の支払先の価格交渉力をつけること
・相見積もりを取る事はもちろん、条件を交渉して価格交渉をしていく
・金融機関との交渉により良い条件を引き出すこと

7.経営者の視点で会社の経営・運営を見る目を持つこと
・経営企画のような仕事を開拓していく

以上の事をやっていこうと思うと当然、勉強が必要になります。
でも実践を兼ねての勉強であれば、勉強したことが仕事に役に立つので、ただ資格を取るためだけに仕事をするよりやりがいもあります。

勉強の仕方としては、手続き関係は、自社の手続きは資格がなくてもできるので、手続きの方法を書いている書籍を購入して、実際の手続きを行っている役所に相談するとできるようになります。

それ以外は、それぞれ“情報セキュリティ”や“eコマース”などは検定試験の参考書などを参考にして勉強し、実際に検定試験を受けてもいいかもしれません。
とても色んな資格・試験があります。

色んな勉強をしてスキルアップをしてユーティリティープレイヤーになっておくと今の会社での自分や会社の役にもたち、いざ新しい仕事につく時でも役立ちます。

これまでしたことがないことをする、とかこれまでできなかったことができるようになる、という事はとても楽しく仕事に対して前向きになれる事なので、是非進んで頂きたいと思います。

もちろん、私もそうです。



プロフィール

管理部CD

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