従業員一人当たりの比率を把握することで、規模の大きさに関係なく同一の視点から比較が可能になります。
先日記載した“労働分配率”と合わせて、企業運営の参考にして下さい。

1.一人当たり売上高
①一人当たり比率

この(一人当たり売上高)は、同業他社と比べる場合に売上高の総額は会社の規模により違ってきますが、一人当たりの金額に置き換えた時に生産性の比較ができます。
※自社内の店舗別や部門別の比較としても使えます。

2.一人当たり粗利益
②一人当たり粗利益

この(一人当たり粗利益)の額は、会社の一人当たりの収益力を表す重要な指標となります。
他社と比較する場合に業種に関係なく、各従業員の稼ぐ力を測ることができます。
一人当たりの粗利益の額と人件費の額のバランスが健全経営にとって重要になります。
粗利益の額が人件費の2.5倍~3倍あれば、安定経営と言われています。

3.一人当たり人件費
③一人当たり人件費

この(一人当たり人件費)は、月次の給与額だけでなく[役員報酬、給与手当、賞与手当、賞与引当金繰入額、退職金、退職給与引当金繰入額、法定福利費、福利厚生費等]を含めて計算することにより月次では見えない適切な年額を検討するのに重要な指標となります。

4.一人当たり経費
④一人当たり経費

この(一人当たり経費)は、従業員を一人雇えばいくら経費が必要なのかを表します。
会社の過去からの推移や店舗別、部門別、同業他社や平均額など自社の経費の多寡などを検討する際に使います。

5.一人当たり経常利益
⑤一人当たり経常利益

この(一人当たり経常利益)は、従業員一人当たりでいくら稼ぐ力があるかを表します。
またこの指標により今後の昇給や賞与額などの財源を考える指標となります。

6.一人当たり税引後利益
⑥一人当たり税引後利益

この(一人当たり税引後利益)は、従業員一人当たりの最終利益を表します。
税引後の利益は、内部留保として今後の設備投資や借入金の返済の財源になる指標です。

7.資本装備率
⑦資本装備率

この(資本装備率)は、従業員一人当たりどれくらいの設備投資をしているかを表します。
設備投資をすることにより生産性の向上を図るのも大切な事です。
設備費をかけて、それだけの生産性が上がらないと問題ですので、比較推移をみて検討して下さい。

直接部門の人員数に比べて、役員や間接部門の人数が多すぎるなど、総額ではわからなくても、一人当たりに換算して同業他社と比率して見ることなどで、わかるものもあります。
人事計画や経費の使い方、設備の効力など検討する際にこれらの指標を生かして頂ければと思います。

【参考】中小企業庁:中小企業の経営指標
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